アーティスティックなカメラマンになりたい

カメラマンとプロカメラマンとの違いは歴然と言ってよいでしょう。カメラマンとは「写真を撮る人」であり、写真を趣味にしている人とも言えます。他方、プロカメラマンとは「写真を撮ることを生業としている人」です。つまり、プロカメラマンが撮る写真は、写真であると同時に“商品”なのです。が、カメラマンが撮る写真は単なる写真です。
そして“プロカメラマンが撮る写真にはアーティスティックが味わいがある”と言ってよいでしょう。

たとえば、戦場カメラマンであり報道写真家として有名だったローバト・キャパが撮った有名な『崩れ落ちる兵士』の一枚には、戦場という過酷な現実の中に浮き立つアーティスティックな一瞬をとらえた写真と言ってよいでしょう。敵の銃弾に撃たれて正に崩れ落ちようとする兵士の一瞬の姿には、生死の狭間に突き落とされてしまった人間の瞬間をとらえた味わいがあります。そして、その味わいにキャパのアーティスティックな感性を感じ取れるのです。

アーティスティックな写真とは「カメラマンがファインダー越しにとらえた被写体が語りかけるものを的確にとらえたものである」と言い換えられるのではないでしょうか。そして、アーティスティックな写真にはカメラマンの個性が息づいていると同時に、観る者に多くの事を語りかける力があると感じられます。

それゆえ、単に上手い写真はアーティスティックな写真とは言えないように思われるのです。そしてアーティスティックな写真は、写真を撮る技術ではなく感性の賜物と言えることから、アーティスティックなカメラマンに成りたければ、己の感性を一枚の写真に詰め込めるような技術と感性とを養うべきではないでしょうか。